イメージ画像

小規模企業共済による節税

まず要約すると、この共済は、月額で最大7万円の所得控除(年間84万円)を受けることができ、しかも、掛金を支払っていた経営者が退職する時に、掛金+α(利子分)の額を退職所得として受け取ることができるという制度です。

簡単に、小規模企業共済のメリットとデメリットをまとめると以下のようになります。

 

小規模企業共済のメリット

掛金全額が税法上、「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除される。

共済金の受取額は、税務上退職所得として取り扱われる。。

 

毎年の所得控除となる上に、払い込んだ分(貯蓄した分ともいえるでしょう)を退職所得として受け取れるため、今すぐ資金需要のない経営者にとっては、節税の手段として有効な共済であると思います。

+αの部分、年金資産であれば予定利率と言われる部分の利率は現状1%ということです。

ちなみに、所得税の申告書の、「所得から差し引かれる金額」欄に「小規模企業共済等掛金控除」という欄が個別にあるんですよ。

個人事業主の方は、法人と違って生命保険による節税が限られた金額しかできない(生命保険料控除)ですが、この制度を利用したら、少し保険に近い節税ができますね。

 

小規模企業共済のデメリット

払込期間が12か月未満の場合は、解約手当金を受け取れません。

任意解約の場合は、払込期間が10年未満の場合は支給割合が100%を割り込んでしまいます。

掛金の増額は自由ですが、減額の場合は一定の要件(事業経営の著しい悪化・病気または怪我・危急な費用の支出)が必要になります。

 

早期に解約する場合には、上記のように戻ってくる金額が払った金額より少なくなってしまうことになります。無理なく払える月額を安定的に支払っていくことがオススメです(払込額を限度とする貸付制度もあるため、共済制度の利用は計画的に!)

 

さて、上記にてメリットとデメリットを述べましたが、なぜそうなるのか? 当制度の概要を少し詳しく述べることで説明いたします。

 

小規模企業共済の概要

小規模企業共済とは、小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立ててこられた掛金に応じた共済金を受け取ることができる共済制度です。国がつくった「経営者の退職金制度」です。

中小機構と委託契約をしている全国の金融機関、商工会、商工会議所などが加入窓口となっており、加入要件に合致する経営者が加入できます。(下記参考情報のA:加入要件参照)

掛金は、1,000円から7万円までの範囲(500円刻み)で自由に選べます。掛金は税法上、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として課税対象となる所得から控除されます。(下記参考情報のB:共済金および解約手当金の税務上の取り扱いについて参照)

なお、掛金の減額および増額も可能です(減額は一定要件が必要)

また、払込み済みの掛金金額を限度として、無担保無保証にて、事業資金などの貸付を受けることができます。(上限1000万円、利率1.5%)

死亡保険金や、傷害保険等の、保険金が受け取れるようなものではありません。

事業の廃業・事業の譲渡・契約者の死亡・法人の解散・任意解約等の請求事由が生じた場合に共済金の受取ができます。(下記参考情報のC:基本共済金の額参照)

 

参考情報

A:加入要件

1、 建設業、製造業、運輸業、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員。

2、 商業(卸売業・小売業)、サービス業を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員。

3、 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員。

4、 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員。

5、 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員

6、 上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる個人(共同経営者)。

 

B:共済金および解約手当金の税務上の取り扱いについて。

種類

税法上の扱い

共済金(準共済金)を一括で受け取る場合

退職所得扱い(※1)

共済金を分割で受け取る場合

公的年金等の雑所得扱い

共済金を一括・分割併用で受け取る場合

(一括分)退職所得扱い(※1)
(分割分)公的年金等の雑所得扱い

共済契約者が亡くなったために遺族が共済金を受け取る場合(死亡退職金)

(相続税法上)みなし相続財産

65歳以上の方が任意解約をする場合(解約手当金)

退職所得扱い(※1)

65歳未満の方が任意解約をする場合(解約手当金)

一時所得扱い

個人事業主が金銭以外の出資により事業を法人成りし、その法人(小規模事業者)の役員に就任して解約手当金を受け取る場合(※3)

退職所得扱い(※1)

個人事業主が事業を法人成りし、その法人(小規模事業者)の役員に就任して解約手当金を受け取る場合(※4)

退職所得扱い(※1)

個人事業主が事業を法人成りし、共同経営者がその法人(小規模事業者)の役員に就任して解約手当金を受け取る場合

退職所得扱い(※1)

65歳以上の共同経営者が任意退任(独立開業、のれん分け含む)をする場合(解約手当金)

退職所得扱い(※1)

65歳未満の共同経営者が任意退任(独立開業、のれん分け含む)をする場合(解約手当金)

一時所得扱い

12ヶ月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)で解約手当金を受け取る場合

一時所得扱い(※2)

※1退職所得扱いになる場合、共済金、準共済金、解約手当金を受け取る際、『退職所得申告書』に記入して提出する必要があります。

※2 12ヶ月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)で解約手当金を受け取る場合は、年齢にかかわらず「一時所得扱い」になります。

※3 平成22年12月末以前に加入(平成23年1月以降に請求事由が発生して「掛金納付月数の通算」手続きを行った場合を除く)した共済契約者に限ります。

※4 平成23年1月以降に加入(平成23年1月以降に請求事由が発生して「掛金納付月数の通算」手続きを行った場合も含む)した共済契約者に限ります。

 

C:基本共済金の額(掛金月額1万円で、平成16年4月以降に加入の場合)

掛金納付月数

掛金残高

共済金A

共済金B

準共済金

5年

600,000円

621,400円

614,600円

600,000円

10年

1,200,000円

1,290,600円

1,260,800円

1,200,000円

15年

1,800,000円

2,011,000円

1,940,400円

1,800,000円

20年

2,400,000円

2,786,400円

2,658,800円

2,419,500円

30年

3,600,000円

4,348,000円

4,211,800円

3,832,740円

解約手当金は、12ヶ月以上の掛金の払い込み月数に応じて、掛金残高の80~120%に相当する額となります。なお、解約手当金は掛金の払い込み月数が240ヶ月未満の場合は、掛金残高を下回ります。

 

参考:中小機構HP:http://www.smrj.go.jp/skyosai/index.html

制度は変更になる場合があります。詳細は上記HPにてご確認下さい。

税務申告、所得税等にかかる相談はお近くの税理士にご相談ください。

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

タグ

2012年1月16日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:税務お役立ち情報

このページの先頭へ

?